北海道カジノビジネスはなぜ良いのか?
世界のカジノ場には様々な形式の施設があり、たとえばアメリカのようにドライブインのように建っている地元のポーカールーム付きカジノ場や、ヨーロッパでよく見られる温泉保養地の豪華めなカジノやホテル付きカジノ、さらにアジアでもホテル内にカジノがあったり統合型リゾート内のカジノ施設という規模の大きな複合式IR施設などがあります。そのほか、世界の海をクルーズする豪華客船内にもカジノ場があり、様々な形式のカジノ施設が存在するのです。これらの中でも北海道カジノでは、ラスベガスやマカオで主流の巨大なカジノ付き統合型リゾート(IR)が建設されることになっています。
IR施設は、様々なサービス施設の集合体とも言える巨大な空間ですが、単にカジノで遊びたいギャンブラーを集客するだけでなく、ファミリー層が楽しめるエンターテイメントの提供、コンベンションや会議室の利用でビジネス客を取り込むなどすることで、北海道の人気観光地のオフシーズンであっても年中広範囲まで経済効果を拡大させることができると考えられているのです。とくに企業研修、国際会議、展示会・見本市、シンポジウムなどのMICE施設の威力は強力で、シーズンオフでの安定した集客でホテルや飲食店・レストランの利用が増え、ビジネス客の長期滞在によりカジノ以外での消費が一般客の約10%以上多いというデータもあるくらいです。
また北海道カジノは、苫小牧の新千歳空港近くが誘致先の1つとなっているので、観光客の中心になるであろう中国人や台湾人、韓国人などアジアからのトラベラーだけでなく、オーストラリアやカナダ、アメリカ、ヨーロッパ圏からの旅行客が、ホテルでの宿泊や札幌、摩周湖、小樽、富良野などへの観光、ビジネスにおけるコンベンションセンター等の利用のため来日しやすい環境が整っています。
さらに、IRが造られることで多くの雇用が生まれることになり、北海道カジノだけでもカジノゲームを取り仕切るディーラー、ディーラーのミスやプレイヤーの不正行為などをまとめてチェックするピットボス、現金やチップといった金銭面を扱うキャッシャー、会計やセキュリティ関連にたずさわるバックオフィスの従業員、そのほかガードマンや清掃員など様々な職種の人材が必要になります。IR施設全体では、規模にもよりますが、少なくとも数千人の雇用が生まれる可能性があるのです。
これらの理由から、北海道でカジノビジネスを行うことは、多くの日本人の雇用機会を生むだけでなく、莫大な経済効果を日本にもたらしてくれる事業になりうるのです。実際、国際的な金融国家であるシンガポールでは観光産業の落ち込みから、時流に乗ったカジノリゾート施設を作るためにカジノ法案を合法化せざるを得なくなり、2005年にカジノが合法化されてからわずか5年後の2010年6月に「マリーナ・ベイ・サンズ」をオープンさせました。カジノ場はIR全体の5%、「リゾート・ワールド・セントーサ」を合わせて8,000億円を超える投資額になったにも関わらず、2019年現在までに毎年右肩上がりで来場客の動員数、売り上げともに上がっているため、北海道も同じような推移をたどるかもしれません。